出版社内容情報
内容説明
日本有数の社史(企業の歴史書)を所蔵する図書館で、司書のアイデアが図書館の新たな役割を生み出す物語。社史を日本の文化とし、企業の経営と意外な裏側、社史にしか記されない情報や、社史編纂担当者の想いも伝えていく。
目次
1章 展示「社史にみる企業キャラクター」
2章 新聞連載「社史をひもとく」
3章 川崎と大阪で「社史グランプリ」開催
4章 「社史ができるまで講演会」
5章 「社楽」社史室からの発信・提案
6章 日本初の「社史フェア」
7章 社史を紹介「社史の図書館から」
8章 社史室の今
著者等紹介
高田高史[タカダタカシ]
1969年生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科修了。司書として神奈川県に入入庁し、現在は神奈川県立川崎図書館に勤務。企画・広報・調査・研修や、本書のテーマとした社史を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナディ
28
書評を見て。高田さんの図書館本は大抵目を通しているのだが、今回は出遅れた。わかりやすく書かれているので、面白く読めた。社史を読むと確かに大抵は地元の郷土資料としても読めるものが多い。こういう制約のある中での発想に毎度感心する。川崎図書館、行ってみたくなった。講演会も参加してみたい。2017/04/16
鳩羽
10
社史をコレクションとして持っている神奈川県立川崎図書館の、社史を使った広報、イベント、講演会といった社史室のプチ歴史。確かに社史を編纂しなければならない立場の人にとっては、社史についての講演はこれ以上にないくらいのビジネス支援だろう。投票イベントなどは作り方によって広報の機会が複数あること、広報したい層のことをよく考えることなど勉強になった。人数を集めればよいというタイプのイベントではないときこそ、必要な人のところに質の良いものを出会わせることができたらいいと思う。2017/02/28
スターライト
8
恥ずかしながら、社史に特化したコレクションを持った公共図書館があるとは、本書を読むまで知らなかった!そしてその担当者である著者の高田さんのバイタリティーとアイデアのすごいこと。「社史」などという一部関係者にしか興味がないような分野を、蔵書を武器にしながら宣伝し、人を結び付け、そして収集にもつながる活動には脱帽。社史づくりにかかわる人々の思いと、何より著者の社史愛(?)あふれるエピソードの連続に感動した。文化としての社史をこれからも広く伝えていっていただきたいし、同じ業種で働く自分も頑張らねばと思った。2017/05/06
kenitirokikuti
4
図書館にて。著者は神奈川県立川崎図書館の司書。1954年に県立図書館が横浜市西区に、続いて1958年にふたつめが京浜工業地帯の中心である川崎市川崎区に開館する。後者は一般向けの本だけでなく、科学・技術や商工業に関係深いものに重点が置かれ、館内に商工資料室かわ設けられた。1995年に川崎市立図書館が開館し、県立川崎図書館は産業分野に特化する。このとき、社史室が作られた。2016年時点で約1万8千点の社史類が所蔵、開架で公開されている。2021/04/17
yyhhyy
2
社史収集で有名な川崎県立図書館の社史担当が行ったイベントや寄稿文の紹介。あるトピックスを定めて関係しそうな企業の社史を複数読んで調べてみるなど、社史の楽しみ方のヒントになり面白い。2024/03/09